目的
より効率的に共同で作業する
支援者とつながる
写真提供
ⒸGirl Scouts of Japan
課題
ガールスカウト日本連盟は 47 都道府県連盟と約 4 万人のメンバーで構成される全国組織です。少女と若い女性のための世界最大の活動団体「ガールガイド・ガールスカウト世界連盟(以下、WAGGGS)」に加盟しています。ガールスカウトは、学校外の教育活動であり、少女と若い女性がその能力を最大限に発揮できるよう支援し、力を与えています。
全国組織であるガールスカウト日本連盟には、メンバー間の明確なコミュニケーションを維持するという課題がありました。多数のグループとさまざまな年齢のメンバーで構成されるため、すべてのグループに情報が行き渡り、未成年者の個人情報が安全に守られるよう、効率的で安全な事業管理システムを必要としていました。都道府県連盟(以下、県連盟)の統括団体である日本連盟のファイルには、県連盟と団に所属する少女や若い女性、リーダーとして活動する成人についての個人情報が含まれています。所在地が全国に広がっている中で、活動の効果をモニタリングし評価することも重要です。組織をできるだけ効果的に運営するため、団のリーダーと県連盟はガールスカウト日本連盟に対して、事業の出席者数やイベントの頻度などのデータを報告しています。リソースが限られる中、ガールスカウト日本連盟では、各地に分散する県連盟で全国的に、簡単に実施できるソリューションを必要としていました。
ストーリー
新しいことに恐れずに挑戦するという「ガールスカウト精神」を持って、ガールスカウト日本連盟は、多数の地域連盟と団にわたって効率性を高めるために、Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムのサービスを統合しました。まず、Google Workspace を使って、地域連盟間で事業運営を調整することから始めました。また、ウェブサイト上にフォームを埋め込むことで、Google フォームを通じてガールスカウトのメンバーに e ラーニング プログラムを提供することができました。この e ラーニング プログラムは、幅広いメンバーにとって、ガールスカウト活動に関する知識やリーダーシップを高めるためのスキルを学ぶ機会となっています。ガールスカウト活動には 1 世紀以上の歴史がありますが、ガールスカウト日本連盟では、Google フォームのクイズを使って、少女と若い女性が知識やスキルを向上させながら、全国の地域連盟からバッジを取得するという手法で、現代的な活動スタイルを実現しました。
ガールスカウト日本連盟のスタッフの技術知識のレベルはさまざまですが、Google フォームやスプレッドシートなどのサービスを使うことで、情報を簡単に共有し、手動で入力しなくてもデータの要約を入手できるようになりました。Google Workspace を利用することで、ドキュメントを各地域支部のアクセス権のあるユーザーのみと共有できるようになり、地域連盟の統括組織としてプライバシー対策を改善できました。今ではファイルを地域連盟全体で共有できるようになったので、各団は優れた実践例、チーム作りの活動やその他の活動について情報を共有し、活動を推進することができます。Gmail を使うことで、Google のプライバシー設定を通じて、スパムメールや不正なソフトウェアなど、これまで心配だったセキュリティの問題が軽減されました。Google サイトを設定することで、さまざまな地域連盟やメンバーが、団のリーダー向けトレーニングやハンドブックなど、関連情報にアクセスできるようになりました。ガールスカウト日本連盟が支援している地域連盟とメンバー全体で、リアルタイムの最新情報をすばやく共有できるようになっています。
Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムのサービスは、組織内の事業運営の改善につながっただけではありません。ガールスカウト日本連盟では最近、外部へのアウトリーチとコミュニケーションにも同プログラムを活用しています。Ad Grants と YouTube を使ってオンラインでの認知度を積極的に高めることで、新規メンバーを獲得し、各地で開催される素晴らしい活動やイベントを共有しています。YouTube 動画は、チーム作り活動、ロープワークなどの技術、歌や踊り、地域のサマーキャンプなど、少女と若い女性を勇気づけるガールスカウトの活動を例示するのに役立っています。
情報を共有し、さらにはイベントの参加者を増やすために、ガールスカウト日本連盟では Google マップを利用して、ガールスカウトに興味を持っている会員以外の人が日本中で開催されているイベントを簡単に見つけられるようにしています。また、Earth Outreach プログラムから利用できる Google Maps API を使って、現在のメンバーや将来の新規メンバーに向けて、ガールスカウト活動の影響を国際的な視点で知らせています。Google Maps API と YouTube を組み合わせて、世界中の 5 か所のガールスカウト施設をめぐるバーチャル ツアーを制作しました。メンバーたちがグローバルな視野を育み、世界中のより大きなコミュニティの一員であると実感できるようにしています。
Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムのツールは、ガールスカウト日本連盟の活動の効率性を高めるだけでなく、少女と若い女性に力を与えるという重要な活動を視覚化するのにも役立っています。
目黒ルミ子(ガールスカウト日本連盟、広報および資金調達チーム)
結果
大きな全国組織として、規模に対応した取り組みが成功に欠かせません。e ラーニング プログラム(Google フォームによるコンテンツ)のおかげで、7,000 人以上のメンバーが、ガールスカウトに関する知識から生活スキルまで、さまざまなトレーニングを受けられるようになりました。財政面でも、Google Workspace によって、複数拠点への展開が容易でより高品質なセキュリティ システムの実装が可能になりました。
Google Workspace の導入によって、運営の効率性が大幅に向上しました。以前は、一部のスタッフだけが Google のサービスを部分的に使用しており、Google Workspace はまだ組織全体にインストールされていませんでした。そのため、複数のメール アカウントを保持する必要があり、潜在的なセキュリティ リスクとなっていました。組織全体で Google Workspace に移行すると、各スタッフは、すべての業務ニーズに対応し、どこからでもアクセスできる 1 つのアカウントだけを保持するようになりました。退職した場合に、そのスタッフのドキュメントが失われるリスクもなくなりました。Google Workspace を使用すると、組織内のユーザーを管理し、大きな組織のスタッフのデータを迅速、効率的に更新することができます。以前は、組織の情報通信技術のシステム担当スタッフが、外部のベンダーに対し、スプレッドシートを介して、アカウントの変更作業(新規メンバーの追加、退職した従業員のアカウントの削除など)を依頼する必要がありました。Google Workspace のおかげで、組織の運営業務にかかる時間が削減され、より多くの少女、若い女性へとリーチを拡大する取り組みや、プログラム本来の活動を継続することに、その分の時間を注げるようになりました。
また、Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムのツールは、ガールスカウト日本連盟の組織や、少女と若い女性の成長を支援する取り組みについて、可視性を高めるのにも役立ちました。以前は、ウェブサイトの 1 ページにイベントの一覧が掲載されていました。長いリストに何十個もイベントが表示され、参加者はそこからクリックする必要がありました。Google マップを使用することで、ウェブサイトに地図を埋め込み、イベントをリアルタイムで更新できるようになりました。各イベントは月やテーマごと(「ガールスカウトの日」など)に色分けされ、ガールスカウトに関心のある人が参加したい地元のイベントを素早く見つけられるようになりました。Google マップ上にイベントを掲載し、場所を視覚化したことで、イベント情報の閲覧回数が 18,000 回以上に伸び、イベントの参加者が増加しました。メンバーになりたい人は、最寄りの集会を探すために検索する必要がなくなりました。地図を広げて、互いにつながる機会を簡単に見つけることができるのです。
実施している重要な活動を共有し、少女と若い女性に対する影響を視覚化することは、ガールスカウト日本連盟の成功にとって不可欠です。Ad Grants のおかげで、オンラインでの認知度が向上しました。ウェブサイトには毎月 3,000 人以上が訪問しており、わずか 2 か月間で 500% 増加しました。世界的なキャンペーン「少女と女性に対する暴力をなくす」では、日本での認知度を高め、キャンペーンのメディア掲載を増やすために、男女平等や暴力からの保護を呼びかける広告を制作しました。同様に、YouTube チャンネルでは、チーム作り活動の一環として、カート シュナイダー氏作曲の「I'll Think of You」の手遊びをガールスカウトのメンバーが実演するプレイリストを公開しています。多数の県連盟や団が動画を提供し、これまでに 43 本投稿されました。これらのコンテンツは、ガールスカウト活動の例を示すだけでなく、カードやアノテーションを通じて、メンバーになりたい人をウェブサイトに導くために活用されています。動画によっては閲覧回数が 20,000 回を超えるものもあります。YouTube は、少女と若い女性を支援し力づけるためにガールスカウトが行っている活動を知らせるための有効な手段となっています。
WAGGGS と DOVE が共同開発した自尊心を高めるプログラムから、女性に対する暴力の減少を支援する「少女と女性に対する暴力をなくす」キャンペーン、全国でのさまざまなキャンプやイベントまで、ガールスカウト日本連盟には多数のプログラムがあります。Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムのツールは、これらのプログラムの効率性を高めるだけでなく、少女と若い女性を力づけるための重要な活動を視覚化するのにも役立っています。